こんにちは。ヒーラー・ヴィーガンパティシエのShioriです。
大学院を休学して渡ったアメリカで、私はオーガニックの心地よさを知りました。ここではアメリカでのオーガニックな生活を少しご紹介しようと思います。
今回はハーバリスト(ハーブの専門家)でシュタイナー学校の校長先生、メアリーの家にホームステイしていたときの話です。私にオーガニックは自然そのものだと体験的に教えてくれた生活です。
新生活の始まり
アメリカでは、シアトルのコミュニティカレッジに通いました。「海外に行ったらあたらしい自分になれるはず」と、どこかで期待していたのですが、そんなわけもなく「環境が変わっても、そんなに簡単に人って変わらないんだな」と思いました。
周りの環境が変わった分、変わらない部分がクローズアップされた気もしました。日本でも学校に通っていたので、周りの環境が英語になっただけで日本にいた頃と変わらない生活のようにも感じました。
その頃の私の楽しみは、オーガニックスーパーに行くことでした。当時、日本ではわざわざ自然食品店に行っても数種類しかないグラノーラやプロテインバー、何をとっても10種類以上並んでいるのだから大興奮でした。
化粧品も試しきれないくらい並んでいました。「全種類食べるの大変!何年住んでもシャンプーは全部試せないな~♡」なんて嬉しい悩みを抱えていました。
ヴィーガンやグルテンフリーの商品が当たり前においてあるのも魅力的でした。ということで、学校よりも熱心に通い詰めていました。笑
偶然の重なりと運命の出会い
家の近所で新しい店を見つけようとネットで探していたときのことです。偶然、面白そうなプログラムを見つけました。カントリーアクティビティーを通して英語を学ぶプログラムです。午前中はプライベートで英語のレッスン、午後はその土地ならではのアクティビティーという構成でした。
摘んできたオーガニックな苺を使ってアメリカンショートケーキを作るクッキングクラス、キャンプにカヌー、キリスト教の一派アーミッシュの文化に触れるツアーなどがありました。
「学校行くより面白そう!」「こっちのが英語使えそう」とフットワークの軽い私はプログラムへの参加を決めました。そして、アムトラック(アメリカ全土を走る電車)で2日かかるウィスコンシン州へ向かったのです。
学校側とやりとりする中で「ホームステイ先のホストマザーはユニークな教育に関わっている方ですよ。」と聞きました。
「どんな教育だろう?」と楽しみにしていました。教育は関心の高い分野だったからです。大学では教育学部ではないのにも関わらず、オルタナティブ教育に関する授業は履修していて、夏休みも授業を受けに行くくらいでした。
特にシュタイナー教育は「私もこんな学校に通いたかった!」と叶わない願いを何度も口にするほどでした。だから実際にホストマザーに会って、シュタイナー学校の校長先生だと聞いたときはなんだか運命的なものを感じました。
ハーバリストとの暮らし
ホストマザーのメアリーはシュタイナー学校の校長先生でもあり、ハーバリスト(ハーブの専門家)でもありました。
ドイツまでハーブを学びに行ったそうです。彼女の家の周りあるハーブを摘んで一緒に調理したこともありました。「日本にもあると思うよ。」と教えてくれたのはネトルでした。
ネトルの語源は「Needle(ニードル)」=針です。名前の通り、葉全体についた細かいトゲが特徴的なハーブで、ビタミン、鉄分、カルシウムなどのミネラルをバランスよく含んでいます。直接触れるとかぶれるからとゴム手袋をして集めて、その日の晩ご飯になりました。
彼女の家は知り合いの大工さんと作ったハンドメイドで、木の温もりを感じる素敵な空間でした。滞在した時はちょうどホタルの時期だったのでよくバルコニーで歯磨きをしながらホタルを眺めたものでした。
自然のリズムを感じるオーガニック製品
彼女の家でのホームステイは癒しを感じる心地いいものでした。田舎暮らしの経験は他にもありますが、ここで感じた心地よさはなんだか格別でした。
それは自然のリズムを生活の中で感じられたからだと思います。日が昇って沈んだり、植物が風にゆらぐ自然の中にあるリズムが生活のいたるところから聞こえてくるようでした。
東京の学校に通って、毎日忙しくしていた私は自然に触れる時間もなく、陽が昇って沈むそのリズムとは全く違うリズムでせわしなく動いていました。だから自然から切り離されてしまった感覚やどこか無機質で人工的な感覚を覚えていました。
一方でシュタイナー学校の校長先生として日々忙しく動く彼女の生活には自然のリズムを感じるのです。でも朝日とともに起きているとか、自給自足しているとか、そういうことではありませんでした。忙しい日々を送っているはずなのに不思議でした。
もちろん、田舎で住環境がいいことも関係していたと思います。でも、暮らしていくうちに、それは身の回りのオーガニック製品のなせる技のように感じました。
家のいたるところにオーガニック製品や作り手の温もりを感じられるようなものあったからです。私はそれに触れるたびに自然のリズムを感じ、土の上を裸足で歩くときのような心地よさに癒されていました。
もしかしたらオーガニック製品の中でもバイオダイナミック農法で作られたものが多く置いてあったのも影響しているのかもしれません。
バイオダイナミック農法はシュタイナーの考えた農法で、農薬や化学肥料を使わない有機農法でもありますが、一番の特徴は自然のリズムを意識している点にあります。太陽系の一部である地球は天体の影響を受けていると考え、その周期に合わせて作物を作ります。
オーガニックと癒しの力
私はそれまでも東京やシアトルでオーガニック製品を選んできました。でもこのホームステイをきっかけにオーガニック製品の癒しの力に気がつき、とらえ方が変わりました。
オーガニック製品は自然のリズムをそばに置いておくことができるもので、私たちに自然を思い出させてくれる、自然へと誘うものです。
本来私たちも自然の一部だから、それを思い出すことに癒しや心地よさを感じるのだと思います。それは生活の中で社会のルールや空気を読んで忘れてしまう本来の自分を思い出させてくれるようでもありました。
本当は自分はどうしたいのか、何を求めているのかを本音を刺激するようでもあるし、素直に生きること、自分らしく生きることも後押ししてくれるように感じました。
また、次の記事で自然のリズムを感じるオーガニック製品をご紹介していきたいと思います。
♥ 追加